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27『セツ ブ-ン』
2011년 11월 10일 21시 59분
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작성자: 망향
27 『セツ ブ-ン』
―新潟県―
むかし、あったてんがの。
あるところに、爺(じい)さんがおって、あんまり腹(はら)が痛いもんだから、寺の和尚(おしょう)様のところへ行ったんだと。
「和尚様、和尚様、腹」が痛(いと)うてたまらんが、どうしたらいいのかのう」
「腹が痛いのは虫がいるからじゃ。蛙(かえる)を飲めばすぐ治(なお)る」
爺さ、さっそく蛙を飲むと、蛙がみ-んな虫を食うてしもうた。
ところが、腹ん中を蛙が、ぺタラ、ぺタラぺタラ、歩きまわってしょうがない。
また、寺へ行ったと。
「和尚様、和尚様、腹ん中の蛙がぺタラぺタラと歩いて困るが、どうしたらいいのかのう」
「それだば、蛇を飲めばすぐに治る」
爺さ、さっそく蛇を飲むと、蛇(へび)がみ-んな蛙を飲みこんでしもうた。
そうしたら、今度は、腹ん中を蛇が、クラリクラリ、クラリクラリ遊びまわる。難儀(なんぎ)で難儀で、また、寺へ行ったと。
「和尚様、和尚様、腹ん中の蛇が、クラリクラリと遊んで困るが、どうしたらいいのかのう」
「それだば、キジを飲めばすぐに治る」
爺さ、さっそくキジを飲むと、キジが蛇をつつき殺してしもうた。
そうしたら、腹ん中でキジが、ケンケン、バタバタ-、ケンケンバタバタ-と騒(さわ)ぐんやて。難儀で難儀で、また、寺へ行ったと。
「和尚様、和尚様、腹ん中のキジが、ケンケン、バタバタ-と騒いで困るが、どうしたらいいのかのう」
「それだば、狩人(かりゅうど)を飲めばすぐ治る」
爺さ、道で出会った狩人を、パクッと飲むと、狩人が鉄砲(てっっぽう)でズド-ンと一発、キジをしとめてくれた。
そうしたら今度は、狩人の鉄砲が胃袋(いぶくろ)ん中で、ゴツゴツとぶつかるんやて。難儀で、難儀で、また、寺へ行ったと。
「和尚様、和尚様、腹ん中で狩人の鉄砲がゴツゴツぶつかるが、どうしたらいいのかのう」
「それだば仕方ねぇ、鬼(おに)を飲まねばだめだ」
爺さ、夜になるのを待って、鬼が出て来たところを、パクッと飲んでしもうた。
鬼は胃袋ん中に入って、狩人を食うてしもうた。狩人がいなくなったので、腹ん中がばか良くなったけれど、今度は、鬼の角(つの)が腹にギリギリ、ギリギリささるんやて。難儀で、難儀で、また、寺へ行ったと。
「和尚様、和尚様、腹ん中で鬼の角がギリギリささるが、どうしたらいいのかのう」
「それだば、大口(おおぐち)あいて待ってろ」
和尚様そう言うと、爺さの口ん中へ、
「オニはぁそと-」
と投げ込んだと。
そうしたら、鬼はあわててあわてて、爺さの尻(しり)の穴(あな)から、
「セツ、ブ-ン」
と飛び出て来たと。
いっちご さっけ。
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